まちづくりとゆるやかな関係作り
まちづくりファシリテーターが実施する大学生対象のファシリテーター養成講座でのこと。
私はプログラムのひとつを依頼されていたのだが、早く到着したので、前の活動の様子を見学していた。
それはファシリテーター養成講座のスターティングプログラム。
ゆるやかな関係作りとしてペンキ塗りをしていた。
顔見知りではない人もいる、そんな状況から、ゆるやかな関係を作る。その体験だ。
たしかに、共同作業をするというのは、一種の連帯感が生まれる。
だけど、その様子を見て、私ったら、別の時間にこれを私にやらせてくれれば、ひとつの課題達成プログラムとして、その中から人間関係を学ぶ、ペンキ塗りワークショップができたのになぁと、ひとりごちていた。
実際の作業中何が起こっていたかというと・・・
一部の人だけがペンキをぬっていて、そのほかの人は、下準備のさび落としだけ・・・
本当は自分もペンキ塗りをやりたいと思っていたり、はしごを使っている姿に危ないと思いながら手を貸さなかったり。
手袋がほしいなぁとおもっていたり。
すれ違うときに、ぶつかって、あやうくペンキが服につきそうになったり。
いろんなことが個人の内側に、誰かと誰かの間に、グループの中で起こっている。
たしかに人間関係を学ぶための材料にはなるけど、この場で求められていたのは「ゆるやかな関係作り」という体験とその効果を実感すること。
そして、その経験を、そういう場を作っていくということに活かす事。
まちづくりにおいては、わざわざ、アイスブレークと称して、ゲームをしたり、自己紹介をしたりというのも、もちろんありだけど、必然として起こってくる共同作業を、うまく活用しながら、ゆるやかに関係を作っていくっていうことは、現実的なアプローチだなぁと私も学んだのであった。
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