江戸しぐさって知っていますか?

kaneshige

2009年09月07日 11:05

「江戸しぐさ」って知ってますか?

以前公共広告機構のCMが流れているので、見たことがあるかたも多いと思います。

私は前から気になっていまして、本を購入してはいました。


暮らしうるおう江戸しぐさ

友人がコアメンバーとして活動しているJWCA(日本女性コーチ連盟)のイベントで、この江戸しぐさ語り部の会主催の越川禮子氏の講演があり、出席しました。 

この越川さんというかたが、とても素敵な方でした!
今年84歳ということですが、とてもとてもそのような年齢には見えません。

 

きちんと整えられた髪、化粧、口紅、ミニのタイトスカートのスーツとヒール。
そして姿勢のよさとしっかりとした意志を感じる話し方。 

参加者からは、驚きのため息がもれていました。

 

さて、江戸しぐさは、江戸の下町の商人たちの、哲学でありリーダーとしての行動様式です。繁盛しぐさともいいます。

1)たった一度の人生気持ちよく生きよう
2)戦はしない

以上の考えをベースに行動する、おもいやりの文化でもあります。

もう、この考え方だけでとても共感してしまいました。

 

いろいろなことを教えていただきましたが、印象に残っているのは「世辞」です。

「世辞」っていうのは「おはようございます。」などのあいさつのあとにいう言葉のことです。
たとえば「今日は良いお天気ですね」とか、「おでかけですか?」とか。

「どこに行くの?」というようなプライベートなことを尋ねるのは野暮なわけで。

あいさつも大事ですけど、その先にもう一言付け加えることで、会話がはじまったり、気持ちよくその場を過ごせるなんていうことは、よくあることですよね。

江戸ではこの「世辞」は9歳で身に着けなくてはいけないんだそうです。

 

「おでかけですか?」ときかれるのは、世辞で、別にどこに行くのかを聞きたいわけじゃなく、ただあなたと気持ちよくコミュニケーションがとりたいという心なんですよね。
そしたら「ちょっとそこまで。」って、そんなもんでいいわけですよね。
そしたら「気をつけて」って笑顔でお見送りできるし、相手も気持ちよく出かけていくことができる。

「いいお天気ですね」も。みたらわかることですよ。でも、それは別に天気のことを話題にしたいわけじゃないんですよね。

世辞ひとつとっても、江戸しぐさでは細かい決まりがあるというよりは、哲学を大事にした応用の文化なので、口承で伝えらてきたものなのだそうです。

 

ほかに、江戸しぐさには「尊異論」という考え方があります。
違いを尊ぶ。
外国人、赤の他人を大事にすることが平和につながる。
異文化を理解することから・・・と考えるのだそうです。


現代社会ではリーダーに必要なスキルとして、コーチングやファシリテーションなどが、欧米から輸入されてきていますが、実は日本にだって、この江戸しぐさがあったのです。
通じるものがたくさんありました。

ほかにもたくさんの知恵があるのですが、現代人が忘れかけている大事なことで、今も使って生きたい考え方、行動様式です。

 

日本的なものを大事にしていきたいなぁと思っています。
ファシリテーションとコーチング、そして江戸しぐさ、あわせて伝えていきたいです。


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